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アナ雪2で感じる英語フィーリングと文法

ディズニー映画の「アナと雪の女王2」が話題になっていますね。

私は実は前作も観ていないのですが、前作のテーマ曲"Let it go"は、英語のリンキング(音と音をつなげて発音する)の練習にはぴったりなので、時々講座内で生徒さんに歌ってもらったりしています。

 

今回のアナ雪2のテーマ曲は"Into the Unknown"です。

日本語の歌詞では「未知の旅へ」と訳されています。

 

ここでちょっと話が飛びますが、「不思議の国のアリス」というお話がありますよね。あれ「不思議国のアリス」という時と「不思議国のアリス」という時とありませんか?

私は「不思議国のアリス」というタイトルの方が断然好きです。

「不思議国」というと、単純になんか不思議な国があるんだろうな、という気がしますが

「不思議国」というと、その国のなにもかもが不思議で満ちているんだろうな、という気がしてワクワクするからです。

 

"Into the Unknown"のunknownは、本来は「不思議な」と同じく「誰にも知られていない」という形容詞です。

形容詞というとなんか文法用語でめんどくさく感じますが、「赤い」とか「小さい」とか「可愛い」とか「大きい」みたいに、何かの様子を表す言葉です。なので本当はinto an unknown country(知られていない国)とか into unknown places(知られていない場所)のように、後ろに何かつくべき言葉です。「誰にも知られていない..」で言葉が終わると、何が知られていないんだろう?という不安定な感じが残ります。

でも、"Into the Unknown"ではunknownの後ろには何もついていません。かわりに、前にThe(その)という冠詞がついています。はい、また文法のお話ですが、このTheというのは、「誰にでもあきらかにわかるあれ!」「例のあれ!」「あのあれ!」という限定する働きとともに、そもそもtheの後ろは名詞であるべきなのです。なのでこの「unknown 誰にも知られていない」は名詞(場所かなにかの名前)であることがわかります。

「誰にも知られていない場所」ではなく「誰にも知られぬの場所」みたいな感じです。

「不思議国」と「不思議国」の違いみたいなものです。

そして名詞であることをもう一つ表わしているのが、UnknownのUが大文字になっているところです。JapanやAmerica 、England、そしてあなたの名まえも、最初の1文字目は大文字で書きますよね。そうなんです、固有名詞は大文字で書くのです。

ということで和訳で「未知の世界へ」と訳されているこの"Into the Unknown"は、直訳すると「例のあの!『誰にも知られぬ』の場所へ」という、ちょっとした不安定さと不思議さをともなう歌詞なのです。もちろん、そんな長々とした訳を歌の歌詞にはできませんので「未知の世界へ」と簡潔に訳されていますが、でも本当はそれで終わらせてしまうにはもったいないような、不思議なわくわくするような歌詞です。

そう思って聞いていただけるとミステリアスでエキサイティングなメロディとともに心にしみてワクワクしてくる気がしませんか?

 

英語を英語のまま味わうことができると、他人に訳してもらった時に取り残されてしまうこんな微妙なエッセンスを自分の心で感じることができます。英語やっててよかったな、文法やってよかったな、と思う瞬間です。

 

posted by 英語担当講師 加純 

 

 

公式が大きめの歌詞の字幕を付けてくれている動画があるので、英語の歌詞を読んでみませんか?