隠れトランプとガガ様(大統領選基礎その2)

アメリカ大統領選まで、とうとうあと一週間を切りました。

民主党のバイデン氏優勢が伝えられつつも、いやいやまだトランプさんの可能性もある、なんせ4年前の大統領選でも、同じように民主党優勢が伝えられながらも、結果誰も予測していなかったトランプ大統領が誕生したのだから、という声もあります。

前回も、そして今回もアメリカ大統領選の行方をわからなく、そして大きく左右しているもの、それが"隠れトランプ"と言われる人たちの存在です。

でも、不思議じゃありません?なぜ隠れているのでしょう、そして、その"隠れ"の人たちがどうしてたくさんいるのでしょうか。

今日は、以前ブログ記事にしました「赤か青か?アメリカ大統領選基礎の基礎」に続く、アメリカ大統領選の基礎その2、であります。

 

 

さて、みなさん、こちらのレディーガガさんのお歌 Born this way 、世界的大ヒットをいたしましたので一度は聞いたことがあるのではないですか?

とても耳に残るノリの良い歌ですが、歌詞もとても素敵なのです。

そして、レディー・ガガさんがこの歌を歌っていることは、アメリカ大統領選を理解するのにちょっと役に立つのです。

 

アップテンポの曲なので、歌詞を聞き取るのは大変かもしれませんが、サビのところでは

 

「たとえあなたが文無しでも、大金持ちでも、黒人でも、白人でも、黄色人種でも、ヒスパニックでも、レバノン人でも東洋人でも あなたの人生にたとえ障害があったとしても

見捨てられた人でも、いじめられっ子でも、からかわれても、

今日は、自分であることを祝福して、愛してあげて

だって、baby, あなたはあなたとして生まれてきたんだから、

 

ゲイでも、ストレートでも、トランスジェンダーでも、全然関係ない

大丈夫、正しい道よ、baby

生き残るために生まれたんだもの

黒人でも、白人でも、黄色人種でも、ヒスパニックでも、東洋人でも、なんの関係もない

正しい道よ、baby

勇敢であるために生まれたんだもの」

 

というような歌詞になっています。

全体を通して、「たとえどんなあなたでも、あなたはあなたのままで美しい、だってあなたはあなたとして生まれてきたのだから、なぜなら神様が間違ったものをおつくりになるはずないでしょ」というメッセージソングなのです。

 

良い歌ですよね。

 

で、これがどうアメリカ大統領選につながるかと言いますと、

このように、マイノリティの権利を重視しましょう、という考え方は、主にバイデンさん側の民主党(青色)支持者の人たちに多い考え方なんです。もちろん、レディー・ガガさんも民主党支持派。

それに対して、トランプ大統領の共和党(赤色)支持者の方は、このような主張があまりお好きではない方が多い、という傾向があります。

・・・

私たちの感覚だと、「どっちの党であろうとも、マイノリティの人権を尊重するのは当然だろう」と思いますよね?

そうなんです。

そうなんですけど・・ことはそう単純なことでもないのですー。

 

まずは、宗教の問題です。特に、キリスト教福音派と呼ばれる方々は、聖書の教えをとても重んじる人々です。そして、聖書には同性愛を否定しているというように解釈できる文があるため、キリスト教系には同性愛を認めない教派が多くあります。トランプ大統領を支持しているキリスト教福音派もその一つです。

これは、いいとか悪いとかではなく、宗教の自由の問題なので、その人が何を信じてどのように主張するのかは自由なことです。ですから、良い悪いではなく、ただ、このような信念のもと、同性愛を認め同性同士の結婚を許すという世の流れをよく思わない人たちがいて、その方たちの支持を受けているのがトランプ氏の共和党側。

そしてそこが大統領選のわかりやすい対立軸になっているのです。

 

とはいえ、キリスト教福音派の方々は"隠れトランプ"ではありません。隠れていない、正々堂々とした、信念を持ったトランプ支持者さんたちです。

 

では、誰が隠れているのか。

それは、「マイノリティの人権が大切、ということはわかるけど、なんかもううるさいんだよ、うんざりなんだ」と思っている人たち、です。

日本という国は、農耕民族らしくなかなかに同調圧力の強い国民性ですが、アメリカは、良くも悪くも自分の主張をハッキリとするべきだ!!!!!!!という国であります。

近所の女の子がちょっと見ないうちに大きくなってた、「よう、久しぶりだな、大きくなったなぁ、彼氏はもうできたのかい」というと、「セクハラだ」と言われたり「同性愛を否定している」と大きな声で責められたりすることが、どうやらよくあることのようなのです。そんなこんなに、「もう内心うんざりなんだよ、俺の頭は古いままでいいんだよ、ほっといてくれよ!」と。「今の世の中が、男女平等で、白人至上主義の時代は終わって、同性婚をみとめる流れになってきているのはわかる、わかるけど、心の中ではやっぱり白人のほうがいいとちょっと思ってるし、同性婚には違和感あるし、男は仕事、女は家庭を守ればいいんだ、と思ってるんだよ、そして、それをいちいち否定されることには、もううんざりなんだよーー」と内心こっそり思っている層、それが"隠れトランプ"と言われる層です。自分で声を大にして言うと非難ごうごう浴びてしまうけど、トランプさんはどんなに非難されても堂々と自分の思ってることを表現してくれるから好き、見ていてスカっとするんだよなー、という方々・・まぁ、なんか気持ちはわからなくもないですかね。自分が言いたくても大っぴらには言えないことを、非難されることを何とも思わず堂々とやってのけてくれるリーダーがいる、それはこっそり応援したくなる気持ちもわかるかも(笑)

 

というわけで、バイデン有利と報道されつつも、こんな風にこっそり隠れちゃって心の中でトランプ氏を応援している人たちが、いったいどれくらいいるのか。開票までまったく誰にも予想がつかない、という今回の大統領選です。

 

この2回の記事で、だいたい民主党(青)と共和党(赤)の違いが、分かってきてくれているといいなぁ、と思いつつ。

 

最後に、これに関連してミニ英語知識を。

テニスの大阪なおみさんが、黒人の方が白人警官に殺された、という事件があったときに、「Black Lives Matter」運動に賛同する意思を表明したことがありました。

「Black Lives Matter」黒人の命だって重要なんだ、という主張です。ここで使われている"matter"には「重要なこと」という意味があります。

そして、レディー・ガガさんのお歌のBorn this wayの「ゲイでもストレートでもそんなの関係ない!」と言っているところは、"No matter gay, straight, or bi Lesbian, transgender life" と歌っています。No matter (重要ではない)ですね。

"matter"に(重要である)という意味があることを、これをきっかけに覚えていただけたら嬉しいです。

 

posted by 英語担当 加純