鬼滅ブームとリアルなその「場」のもつ力

劇場版「鬼滅の刃」ブームがすごいですね~~

 

自粛期間中にNetflixやHulu、Amazonプライムビデオなどの動画配信サービスではまった人が多かったそうですが、それらの人がおうちでそれぞれ見ている分には、なんとなく流行ってるらしい、くらいで、ここまでのブームの到来はなかなか可視化されてなかったんですね。

このコロナ禍でながらく見なかった映画館での行列、それでようやく、なんだなんだ?何が流行ってるんだ??と気づいた人も多かったようで、、、という私もその一人です(笑)Amazonプライムでちょろっとどんなものか見かけて挫折してそのままになっているうちにこのブームです。今から追いつけるのか謎です(笑)

 

ずっと家にこもっていたけど、そろそろ外にでて何かを体験したい、という気持ち、そして、そろそろ出てもよさそうだ、という世の空気感と映画の公開時期がぴったりかぶりましたね。なにかと閉塞感があった日本全体の、緊張感を少し緩めてくれた気がする鬼滅の刃ブームです。

 

さて、ずーっと動画配信で鬼滅を楽しんでいた皆さん、ずっと家で見てたんだから、劇場版も配信されるまで待てばいいんじゃ??なんでいまこんな行列になってるの?と思われるむきもあるかもしれません。でも・・たぶん違うんですよね。もちろん、いち早く見たい、という気持ちが一番大きいのだとは思いますが、これが仮に劇場公開と動画配信が同時に行われたとしても、劇場に集まる皆さんはたくさんおられたのじゃないかな、と想像するのです。

家でも、見れる、それなりにはまれる、いや、がっつりはまれる、でも映画はねー、これはやっぱり劇場でみなくちゃ!と思うのです。

 

鬼滅ブームには乗り遅れましたが、演劇好き映画好きではあるので映画館には9月あたまあたりから少しずつ行き始めました。自粛期間中に、ストリーミング配信で演劇を何本か見ることができて、本来なら東京までいかないと観賞できないはずの作品を見ることができたのはそれなりに満足だったんですが、やはり「それなり」なのです。何か足りない・・何が足りないのか。それはやはり「場」の力。その場に居合わせる、というリアルの力。それは舞台の上の役者さんのリアルだけではなくて、その場内のワクワク感のリアルさ、だったと思います。

劇場ってとても素敵な異空間なんですよね。作品が始まる前から、その場に漂うワクワク感。周囲はみんな知らない人たちだけど、その見ず知らずの人たちと心の中でワクワクを共有する感じ。

たとえるなら、大みそかや夏祭りの夜の神社。祭りの日には、昼間いつも遊ぶ見慣れた境内が、夜になって提灯とかともっちゃって、ひとがわらわらと寄ってきて、ただそれだけで現実とは違った異空間になる、そんな感じ。その場ですれ違う人たちは知らない人だけど、その場の異空間ぶりを楽しんでいる者同士、というぼんやりとした緩い連帯感。言葉にはしにくいけど、劇場に集まって一つの作品を見るって、作品だけじゃないその場の空気を共有しに行く、というのがあるような気がします。

 

9月に二度、同じ映画を見に行きました(笑)

映画音楽の巨匠のエンニオ・モリコーネさんがなくなってしまって。そのニュースを聞いたころに、なんと巨匠が音楽を手掛けられた20年前の大好きな映画が4Kでよみがえって劇場公開されるというので、「この美しい旋律と映像を、大きな画面で大きな音で体験せずにいられようか!」と、行ってきたのですよ、DVDも持ってて何どとなく繰り返し見ている作品なんですけどね。

公開期間が短くて、結局2度しか行けませんでしたが、かなうことなら毎日でも通いたかったです。

船の上で生まれて一度も陸に下りなかった天才ビアにストという、おとぎ話のような切ない話なのですが、終演後にひびく見ず知らずの人の鼻をすする音、涙をふく姿を横目で見て、心の中で「1900(主人公の名前)のために泣いてくれてありがとう」という謎の感謝を心の中で捧げつつ(笑)一つのストーリーと音楽を共有した知らない方々との場の共有と、一生忘れられない美しい音色をくださった巨匠に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

いま、鬼滅の刃を観に劇場に集まってらっしゃる方々も、きっと今までちょっと欠乏していた非日常感や、知らない人と心の中だけで感激を分かち合う体験をしながら、「人生には心に栄養を与えるこんな時間が必要だ」と実感されていることだと思います。先が見えない世の中だけど、人生って悪くない、と思える時間ですね。

「なにかいい物語があって、それを語る相手がいる。それだけで、人生は捨てたもんじゃない」この「海の上のピアニスト」の映画の中のセリフです。

ほんと、人生捨てたもんじゃない、と思いました。そして、そう思える時間が、いま世界中で必要とされているのではないかしら、と思いました。

感染防止対策は絶対に必要です。でも、オフィスがテレワークで減ってくるように、劇場が減ってしまうのは、とても惜しいように思います、同じく減らすべきではない空間が、この世にはたくさんあるんだろうなぁ、と思います。

 

しかし、鬼滅ブーム本当にすごい!

今日のニューヨークタイムズ紙に、先週末の鬼滅の刃の興行収入が世界一を記録したことを驚きをもって報じていましたよ。もちろん世界で公開されたわけではなく、日本だけの公開で、その興行収入が週末なんと世界一の記録だったようです。

記事のタイトルは、"What Pandemic?" 日本では、ロックダウンなしでマスクしないことによる罰金もなしで、緩い規則の中人々がすすんで三密を避け、マスクをすることを選ぶことで、感染を非常に低いレベルで抑えることができている、感染のリスクが低くなり安心を得ることが、人々をすぐにでも劇場に戻すことにつながると証明している、と伝えています。

 

この報道は、海外に向けての鬼滅の刃熱をさらに上げることになるだろうなぁ、と思いますよね。コロナ前に海外に出かけてて、向こうから話しかけてきてくれる外人さんの9割はNARUTOファンで日本ファン、という人がほとんどだったんですが、鬼滅の刃はNARUTOと同じく忍者的要素もあり、さらに外国人の大好きな刀、着物、そしてさらに家族愛!と、海外の方から愛される要素がてんこ盛りです。音楽もキャッチーでいいですしね。そこに、まだまだ世界がロックダウンに近い状況にある中での、日本の鬼滅フィーバーが海外で大きく驚きをもって報道され、海外のアニメファンにまた大きくアピールすることになったと思います。

 

まだまだ海外からの旅行客受け入れ、という時期は先になりそうですが、京都の太秦映画村みたいな感じのアニメ版の日本アニメ村、とかどこかにドーン!とつくちゃったら大人気になりそうだ、とか思ってます。誰か私に億単位の予算をくれたら作るのになぁ、などと、ブームに乗り遅れてまだ見たことがないくせに、思ったりしてます(笑)

 

posted by 英語担当 加純