雇用のフレキシセキュリティ?

こんにちは

朝晩はすっかり秋ですね。日中がまだまだ温かい(時には暑いくらい)なのでうっかりすると風邪をひきそうです。

皆さんもお気を付けください。

 

さてさて

"カタカナ英語から世界を覗く"の2回目です。

 

みなさん、もし仕事を辞めてお給料の9割の失業手当がもらえて、再就職に必要なスキルの勉強を自己負担なく受けられて、多くの人がだいたい4年に一度のペースで転職するので、自分に合わない職場にい続ける必要もなく、そもそも労働時間が日本よりだいぶ短い国がある、と聞いたらどう思いますか???

 

さぁ、今日のカタカナ英語は「フレキシセキュリティ」

まだ日本では一部の人しか耳にしたことがない言葉だと思いますが、このコロナ禍で、少しずつ日本でも注目を集めつつあります。

 

今日は、BBCのLearning Englishという英語学習用のサイトから、毎回6分の日常表的な会話の中で英語を学ぼうという6minutes English  でみつけた、 the post-Covid job landscape (コロナによる大量失業後の仕事の在り方、)というトピックの内容をざっとご紹介しながら、理解に必要な背景の知識もシェアしたいと思います。

 

 Coronavirus: Dealing with mass unemployment

フレキシキュリティとは、柔軟性のフレキシビリティ(Flexibility)と安全性セキュリティ(Security)を組み合わせた合成語なんです。

 

では、なにがフレキシブルでセキュアなのか。それは・・「雇用」です

 

このコロナ禍で、世界中で数億もの人々が職を失った、もしくは失いつつある、という状況で、今注目を集めている、そして上で紹介したCoronavirus: Dealing with mass unemploymentの中に出てきたマサチューセッツ工科大学のエリザベート・レイノルズさんも紹介している、デンマークの雇用形態です。

 彼女が言うには、われわれはまだコロナ禍での影響をすべて受けたわけではない、これからまだまだ水の上で波紋が広がるように、大きく影響が広がっていくだろう、それには各国の政府がとっている雇用対策は長期的にはサステナブル(持続可能)ではない、と言っています。もっとラディカル(急進的で根本的)な方策が求められている。

その、急進的で抜本的な政策として彼女が言及したのが、デンマークやオランダで取り入れられている、フレキシセキュリティな労働市場政策モデルです。

 

冒頭で失業しても給料の9割保障云々、というのはエリザベート・レイノルズさんが紹介していたデンマークの雇用形態です。デンマークでは離職が簡単、次の仕事に就くための職業訓練は自己負担ゼロです。ということは、job for life(終身雇用)ということもありませんし、長く働き続けたら退職金がたくさん出る、ということもありません。

逆に言うと解雇も簡単、企業側は、不況になれば不必要な人をすぐに解雇できます。解雇された人たちは、国負担で次の仕事への教育を受け、人手が足りていない職場へと移っていきます。

 

就職がフレキシブルで、失業しても収入の安全性セキュリティが保たれている労働市場モデル、それが「フレキシセキュリティ」です。

こう聞くといいことばかりのような気もしますが、

そこまで政府からの手厚い保護がある、ということは、当然財源が必要なわけで、デンマークの消費税率は、軽減税率なしの一律25%、高所得者の所得税はなんと65%にもなります。

そう、デンマークはいわゆる「高福祉・高負担」な国なのです。

そして、日本より就業時間が短いのですが、それは逆に言うならば短い時間内で仕事を終わらせなければならない、成果を出さなければならない、というプレッシャーにもつながります。なんたって、上司は社員の首を切るのがとても簡単なので、短時間で成果の出せない社員はどんどん解雇されてしまうのです。当然、非正規雇用が増えます。

 

まぁ、解雇されてもお給料の9割も失業保険が出るのですから、別に困らないわ、という人もいるでしょうし、そんなに短時間で結果を求められても、自分のパフォーマンスが発揮できないうちに首を切られるのはなんか嫌だ、もっと安定性は欲しい、という人もいるでしょう。

 

みなさんは どう思いましたか?

日本は、中福祉・中負担(もしくは、それを目指している途中)なのだそうです。

アメリカ・トランプ大統領のアメリカ共和党の目指す国家は、どちらかというと低福祉・低負担のようです。バイデンさんの民主党は、もう少し福祉を充実させよう、それには負担も少し増えるよ、という中福祉・中負担に傾いた政策のようです。

こうしてみると、世界中が負担と福祉の充実のバランスで意見が二分され、その文壇の中で落としどころを見つけるのに苦慮しているんだなぁ、ということがわかります。

 

今回ののカタカナ英語は「フレキシセキュリティ」

柔軟性のフレキシビリティ(Flexibility)と安全性セキュリティ(Security)を組み合わせた、フレキシブルで、収入保障された、高福祉国家での労働市場政策、でした。

みなさんは、どんな働き方をしたいですか?そして、どんな国に住みたいですか。

 

posted by 英語担当 加純

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