サークル・オブ・ライフ(人生の輪)

先週は個人のタイプと職業分類を研究したホランド博士のスリーレターコードについて書きました。

 

今日は、サニー・ハンセン教授という女性のことをご紹介したいと思います。

この方は、私がキャリコンをめざして勉強した時、一番共感した方です。

 

「統合的ライフ・プランニング」と言いまして、言葉で聞くとちょっと難しく感じますね。

彼女は人々の人生をキルトに例えました。

キルトって、端切れを縫い合わせてとても素敵なデザイン性のある1枚の布に仕上げたものです。

 

人々の人生で重要なのは仕事だけではなくて、家族との時間と役割だったり、コミュニティや社会の中で自分のするべき仕事だったり、そして紆余曲折ある人生の転機の中でどんなふうに生きてきて、そしてこれからどんなビジョンを描いてプランを立てるのか・・・これらをすべて統合したものがキャリアだとおっしゃったのです。

 

つまり人生はキルトのように、丁寧につなぎ合わせた美しい一枚の作品のようなものだということですね。美しい比喩でしょ?

 

そもそも、私がキャリアコンサルタントを目指した理由の一つが、子どもが保育園児だった頃のママ友の言葉でした。

小児科でばったり会った彼女が話したのは「忙しい時に限って子供が熱を出す。」と言う話でした。

今、小さなお子さんをお持ちの方の中には、きっとこの言葉に大きくうなずいている方が多いと思います。

子どももかわいそうなのですが、親も身を割かれる思いなのです。

 

仕事と子育ての問題だけではありません。

妻や嫁としての家庭での役割、学校や地域コミュニティの中での人々とのつながり。

そんな沢山の経験の積み重ねの中で、それぞれの方がそれぞれの未来を描いて、それぞれの選択をしています。

 

それぞれの方の人生の積み重ねは、似ているところもあるけれど、本当は人それぞれ全く違っています。多様な1片1片を、様々に組み合わせて出来るオリジナルのキルトのようです。

 

上記の私の経験は女性目線ではありますが、ハンセン先生はジェンダーの問題だけでなく、多様性や多文化という視点からも私たちに様々な事を提言してくれています。

 

ハンセン先生の「キャリア開発と統合的ライフ・プランニング」と言う本があります。

副題は「不確実な今を生きる6つの重要課題」

1996年に書かれたもので、日本では2013年に初版訳本が発行されています。

 

その中で、先生は、人生を「サークル・オブ・ライフ(人生の環)」という螺旋的な運動だと考えるようおっしゃっています。

 

計画(プランニング)したとしても、計画には無い(予測できない)偶発的な出来ことが起こり、予期した通りの結果とそうでない結果それぞれがかわるがわる人々の人生の中で現れてくると言い、

「それにもかかわらず、計画することは重要である。なぜなら、人はそのことによって、自分自身の人生をコントロールしているという感覚を得ることが出来、それこそが人々をメンタルヘルスの健康へと導く。」と言っておられます。

 

今はまさに、計画しても計画しても・・・計画通りにならない状況に悩まされている方々も多いのだろうと思います。それでもあきらめずに計画をし、自らを変化させて「サークル・オブ・ライフ(人生の環)」を回し続けていただきたいと願っています。

 

ところで、「サークル・オブ・ライフ」ってライオンキングの主題歌でもあるんですね。

『新しい奇跡は限りなく生まれる』という歌詞がありました。

本当に人生は奇跡の連続です。

 

先生の本の話に戻りますが、「ウェルネスの車輪の発達」ということについても語っておられます。

「ウェルネスの車輪の発達」とは、身体的、知的、情緒的、スピリチュアル(精神性・魂)、社会的、キャリア開発を含めた人間の全体的な発達を言い、しかも個人の範疇にとどまらず、グローバルな意識を持って自分のなすべきことを見つけなさいと。

 

大きいですよね~

 

そう、先生は大きく広くそして深く考察しておられました。

 

ジェンダーの問題、他者とのつながりと自己表現、多文化、スピリチュアリティ(精神性、魂、霊性)、テクノロジーの進化、環境保護、仕事そのものの変化、雇用形態の変化、組織のマネジメントの変化、家族の形態の変化、多様性…

 

25年前に書かれた本ですが、現代に住む私たちはまさにその渦中にいます。

大きな地球に住む小さな存在である私たちは、否応なくその変化にさらされているわけです。

 

社会の大きな事柄に積極的に関わっているつもりなどなくても、その行動は何かしらの影響を周囲に与えています。

「人生を意味ある全体の中に織り込む」

ハンセン先生の言葉です。素敵な言葉だと思います。

 

最後に、ビジョンを持つことの大切さを語っておられましたのでお伝えしておきますね。

 

精神科医であったフランクル教授がアウシュビッツ強制収容所での生活を綴った「夜と霧」という著書があります。

「アウシュビッツ強制収容所で生き残ることができた人はすべて、ビジョンを描き、未来を想像することが出来たという共通点を持っていた」という例を挙げています。

 

自分自身がビジョンを持ち、そしてビジョンを示すこと。

不確実な世の中で、寄る辺ない気がするからこそ、大人にも子どもにも必要なことだと思いました。

 

by 篠扶

 

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