· 

人生はリハビリの連続なのです

 

 久しぶりにブログを担当します。

 昨日就職セミナー用の資料を作成中に参考資料を探していて、以前読んだ本を手に取ったら裏面の帯のこんな言葉が目に留まりました。

 

 「人生はリハビリの連続なのです」ミルトン・H・エリクソン

 

 まだ50数年しか生きていない私ですが、この言葉を見た時、「そうだなあ・・」としみじみ思いました。

 若い方から「過去のあることが急によみがえって、たまらない気持ちになるんです。どうしたらよいでしょう」と質問されたことを思い出しました。

 私たちの人生は、身体のリハビリも心のリハビリも、何度も繰り返しながら生きていくのだと思います。私自身の人生もそうでした。

 

 この言葉を残したミルトン・エリクソンは、催眠療法家として有名な精神科医で心理学者です。

 臨床の現場で多くの人を助け、残した功績はとても大きい方ですが、今回、何よりも多くの人に知ってほしいと思ったのは、彼が彼自身に起こした奇跡の話です。

 

 彼は、生まれながらに失読症(記号などの文字が正しく読めない)、色覚異常、失音楽症(音楽が理解できない障害)という障害を持っていて、さらにポリオ(小児麻痺)にかかり全身麻痺の後遺症を負ってしまったのでした。けれども、彼は使える感覚器官を総動員して様々なことを知ろうとします。

 ある日、揺り椅子に座ったままの状態でいた時、「窓際に近づきたい」と考えただけで、揺り椅子が揺れ始めたことに気づきます。つまり、それまで意識していなかったけれども考えただけで筋肉が活性化して、揺り椅子をわずかに動かしているということに気づいたのです。それから何ヶ月もの間、動きに結び付いた身体の感覚について、記憶を探り続けました。何かを手に持った時の指の感覚がどんなものだったか・・などということを。

 そうしているうちに指が動くようになり、それから、よちよち歩きの妹の動きを観察することで、立ち上がることが出来るようになったのでした。そして、病気から3年後にはたった一人で10週間のカヌーの旅を成功させたのです。

 そしてもちろん、この困難な障害と体験があったからこそ、後に素晴らしい能力となって患者さんたちの助けになりました。

 

 まず最初に「~したい!」という【想い】があったのです。【想い】は漠然とした夢のようなイメージではなく、電気信号のような【エネルギー】です。そしてそのエネルギーが、繊細な観察力や感じる力や根気など、人間が元々持っている力を最大限に引き出したのでしょう。

 

 彼に起こった奇跡は、特別なことで、誰にでも起こることではないのでしょうか?

 そうではないことを、彼はその後の臨床の現場で多くの患者さんに対して証明しました。

 

 考えてみたら私たちは皆最初から歩けていたわけでも、話せていたわけでもありません。でも、覚えてはいないけれどいつの間にか出来るようになっていました。

 私たちはきっと、みんなそんな特別な遺伝子を受け継いでいるのでしょう。「もっと見たい!立ちたい!」と想ったら立てるように筋肉が動き、「あそこまで歩きたい!」と想ったら足が前に出たのですね。

 

 そのように同じ人間の遺伝子を受け継いでいる私たちなのですが、人生に起こってくる様々な事柄は人それぞれで、似ているようで全く違ったりします。そして、どの人でも良い時もあれば、逆に立ち直れないような気持になるときもあります。

 

 けれどもどんな人でもきっと、「~したい」という【想い】を持ち続けて、受け継いだ遺伝子を信じてリハビリに励んでいれば、何度も【立ち直る】ことができ、そして【できた!】が積み重なっていくのだと思います。

 

posted by 篠扶