占いとフィードバック(2)

前回の続きです。

では、占い師ではない私たちは親や友人や同僚として、どのようなフィードバックを相手に与えれば良いでしょうか。

二種類のフィードバックについて考えてみました。

一つ目は「いやぁ~今のスピーチ良かったよ!」と肩をたたいてもらった。または子どもなら、「良い子ね」を頭をなでてもらった。というようなものです。

このようなフィードバックでも充分嬉しいものですし、やる気も起きるかもしれません。しかし目標に近づくまでには、時間がかかるでしょう。

なぜなら、どこが良くて、更にどのようにすれば良いかの具体的な方策が見当たらないからです。

しかも、いつも言われていると、だんだんマヒして「褒められているような気がしない。」とか、

「本当に良かったと思っているの?」と疑心暗鬼になってしまうという良くない効果を生んでしまうことも起こってきそうです。

もう一つは一定の尺度を持って、具体的に表現されたフィードバックです。

例えば「今の話の内容はとてもよかったよ。でも初めて聞く人にとっては少しだけ早すぎるので、一語一語をはっきり発音することに意識を向けてみよう」

とか「君は相手の顔を見て笑顔で挨拶ができているから、挨拶された私も自然と笑顔になるよ」というふうに。これならば、次なる行動の指針となるでしょう。

 

ところで【自分自身が求める結果】ということについてですが、

組織内での目標は往々にして定めやすいものです。

組織そのものの向かう目標が定まっていますから、その組織を支えている人々の行動目標も定めやすいというわけです。

しかし、人の人生そのものの目標というものは、なかなか定めにくいものではないでしょうか?

だからこそ、人は「私にはどんな仕事が向いていますか?」「あの人は私のことをどう思っていますか?」

「私はこれからどうしたら良いのでしょう」といった漠然とした質問を占いにしてしまうのでしょう。

問題を抱えて行動できなくなっているとき、あるいは、何の問題もなさすぎる時

ふと、それまではぼんやり見えていて、漠然と目標にしていたハッピーな将来像を見失い、

更には、自分の状況をとらえ切れていないという不安から、新しい行動をとることを抑えてしまいがちです。

 

そんなときには、現在あるいは過去の経験に対する的確なフィードバックから、霧が晴れたように将来像が見えてくるときがあります。

心を開いて様々な関係からのフィードバックに耳をすますこと。それが【暗中模索】の本当の意味なのかもしれません。

 

そんなことを考えていると

仕事上のフィードバックだけでなく、日常の様々な人との関わりの中で、【期待する未来】について語り合い、率直にフィードバックしあえるような人間関係を構築できるかどうかが、人生の成功の基かもしれないなと思えてきました。

 

ちなみに良い占い師は、時として、本人さえ気が付いていないその人の人生の目的について見えてしまうものらしいですが…

それを教えて貰うのはちょっとつまらない気がしますね。 

 

posted by 藤吉